自宅兼アトリエ&ギャラリー



ナイロビの自宅兼アトリエ&ギャラリーのHome_N Galleryは、自家用車のない身としては立地条件がとても良く、部屋数や広さに対して、家賃はそんなに安くはない。ナイロビに暮らす外国人としては家が小さい、と面白がるケニア人の友人もいるほど。
場所を変えれば、同じ家賃でもかなり広い/部屋数の多い家に住むことも可能なので、そんな家に引っ越しすれば、こんな使い方やあんな使い方もできるなぁとつい愚痴をこぼすことも多いが、立地条件以外に気に入っている点も多い。
ケニア人の友人にもいろいろいて、自分より大きな家に住んでいる人もいれば、四畳半くらいの一部屋に4人家族で暮らしている人もいる。Home_N Galleryのサイズ感、雰囲気はバランスがよくて、そういう両極端のケニア人を、ともに違和感なく受け入れることができている。
Home_N Galleryでは、その名の通り日常の生活と制作や展示、さらには子育てのためのしつらえが、ほぼ一つの空間に収まっている。大人だけであれば、アトリエ&ギャラリーとして自宅を仕立て上げる事が可能だが、それを乱してくる子どもの存在はHome_N Galleryにとって重要である。
部屋数が多い場合に、一部屋をギャラリー専用として使用することが考えられるが、それでは、展示活動が単なる生活の余剰扱いになってしまう気がする。展示や制作のたびに生活スタイルまでをも変更する今のHome_N Galleryのあり方が、割と気に入っている。

2011年12月29日 西尾美也

ナイロビを歩く


Photo by Yasuyoshi Chiba

ケニア最大のスラムと言われるナイロビのキベラ。線路脇に多数並ぶ店と自由に線路上を行き来する人々の光景は、電車のためであるはずの線路を活発な商店街へと変容させている。
線路の横からは枝分かれするように多数の小道が延び、舗装されていないデコボコ道がキベラの生活圏に張り巡らされている。そこには、すべて思いがけないかたちで、ごみや石ころ、水たまり、溝、泥、人、低く飛び出たひさし……などが多数の障害物として待ち受けている。一歩一歩、どう足を踏み出すか、判断しながら歩かなければならない。いつ躓くか、いつ足を挫くか。スラム素人の僕は、一歩一歩、予測できない足裏の感触を楽しみながらも、必死にキベラを歩く。一方、キベラで生まれ育った友人は、そういう道をなんとも軽々と歩いていく。歩くのが速いし、息を切らさない。一歩一歩に連続性があって歩くリズム感が良い。
現代舞踊家のマース・カニングハムは、混雑したスクランブル交差点をぶつからずに歩く人々の動きを、一種のダンスだと言ってみせた。そんな言葉を思い浮かべていると、確かにキベラを歩く人々がみんな、訓練されたダンサーのように見えてくる。
思い返せば、スラムに限らずともナイロビのいろんな場所を歩いていると、未舗装の道や大きく陥没している道も多い。なにより横断歩道はほとんどなくて、道を渡るときは車の動きにかなり敏感でなければならない。つまり、スラムを歩くときのような足を踏み出すリズム感が、ナイロビではどこでも有効に働くのだ。一歩一歩に躊躇や迷いなんかあれば、身体の動きはぎくしゃくして疲れてくる。スリや強盗にも警戒していなければならないし、ついでに標高が高いともなれば、ただ歩くだけで相当疲れてしまうというのがナイロビの街なのである。
さしあたり現代舞踊のためでも、マラソンのためでもないが、このトレーニングは続いてゆく。

2011年12月23日 西尾美也


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