忘れがちな建築



近ごろアパートの舗装された駐車場に真黄色の駐車ラインが引かれた。やけに黄色くて目立つなと思ったけど、すぐ外にあるショッピングモールの駐車場にも同じペンキが使われていた。どのくらい前に塗られたのか分からないけど、もう色はくすんで地面に馴染んでいた。できるだけ目立つ色が選ばれているのはそういうことらしい。ラインが引かれた当初は目立っても、すぐに砂ぼこりでくすんでしまうから。

・砂ぼこりのオブラートが存在感を弱めているから?

そんなことが理由かどうかはっきりは分からないけど、ナイロビでは「この建物イケてるなぁ」と感動することが少ない。まるで地面から延長して景観全体にも砂ぼこりがかぶっているようなかんじ。スラムの掘建て小屋は例外で、たいてい造形としてかっこいいものとして目にする。砂ぼこりをものにしているからだろうか。今回はあくまでも掘建て小屋ではない建築物の話。もちろん他の理由にも心当たりはある。

・排気ガスで空気が汚れて先がちゃんと見えないから?
・治安が悪くて建物なんかゆっくり見てる場合じゃないから?
・建築の資材がどれも似ているから?
・もともと建築物にそれほど興味をもっていないから?
・毎日そんなに異なるルートを歩いてるわけじゃないから?

結局、街ではなく本をみて、ナイロビの建物って確かに面白いよなと思い出した。
本がナイロビの「砂ぼこり」を掃ってくれた。

『A Brief Tour of the Buildings of Nairobi』(Yuko Iwatani & Evelyne Wanjiku著)

まさにナイロビの建物に焦点をしぼった画期的なガイドブック。建築写真はフォトジャーナリストの千葉康由さんが撮っていて、イケてるなぁと感動する。素人がちょっと足を止めてパッと撮影する写真とは当然ちがう。知っていたつもりの建物が、文字通り別の視点から提示されるから、新しく感じたりかっこよく感じたりしてドキッとする。

この建築(写真)との出会いをきっかけに、僕はつぎのことを実践するようにしている。
・ナイロビで忘れがちな建築に目を向けてみる
・イケてる建築物に出会ったら「どんだけかっこええねん」と正直な思いを声に出してみる
・そして、ちょっと足を止めてパッと撮影してみる(素人) 

写真は撮りためたらWeb showで公開するかも。

2012年9月3日 西尾美也

停電とアイデア



不意に訪れるケニアの停電。昼間だとほとんど気にならない。我が家と向かい合わせになった巨大ショッピンモールの発電機が、騒音でもって停電の開始と終了を知らせてくれるのは時に便利なほどだ。ノートPCの充電がもつ3時間程度の停電だと仕事にも差し支えない。
だが、これが夜間だと環境が一変する。圧倒的受動態。目に優しくないからパソコン作業をする気にもならない。ちなみに、向かいの巨大ショッピンモールでは24時間人が働いている。寝る時間に停電にでもなれば発電機の音は公害ものである。幸い、我が家は親子3人、寝る方を優先するタイプだ。
これまで最長の停電は2日半ほど続いた。生活で不便な点は、パソコンと夜の照明くらい。それより問題は、あの発電機の音である。丸2日半の公害。さすがに発電機も調子がくるって何度が機能停止する。その度に電気がもどったか!とこちらは無駄に喜ぶ。
さすがにこんなひどい停電はまだ一度きり。
日常的な停電ならいい面もある。夜の停電は仕事とかややこしいこととかを一端断ち切ってくれるし、家族が寄り添うコミュニケーションを生む。ロウソクの光もいいかんじだ。



ところで、この停電の状況を何かに活かせないかとしばらく考えていた。作品とかそういうことでなくても、この環境でしかできないこと。停電と共に起こる楽しいこと。

自分の活動履歴にはのらない作品のことを思い出した。
2005年のこと、東京藝術大学川俣正教授の退官記念パーティである。学生だった僕は同僚の教員から「装い」にまつわる贈呈品の制作を頼まれた。テーマは、「川俣正」「退官」「装い」「贈呈品」である。さて。

「いつも忙しく国内外を移動する川俣さんだから、寝るときくらいは安らいでほしいと願いを込めてパジャマを制作しました。寝ようとして電気を消すと学生たちの寄せ書きが表面にあらわれます。」

与えられた課題によく答えているし、僕は今でもこのコンセプトを気に入っている。
白地のパジャマを作って、学生たちに蓄光塗料でコメントを書いてもらったのだ。
ちなみに川俣さん、「パジャマは着ない」と一蹴。
僕が学んだ東京藝術大学の先端芸術表現科では、ヨシヨシと学生をなだめることはなくて、こんなふうに対等に正直に反応してくれるから、力になる。

なにはともあれ、この蓄光塗料である。子どもの頃、天井に貼った星のシールが僕にとっての蓄光のルーツだ。
蓄光塗料で部屋中を装飾しておく。夜間の停電にがっかりする暇はない。停電と共に起こる作品鑑賞である。コンクリにペンキを塗っただけのケニアの家にはもってこい。子どもも参加できるし、いつのまにか書き加えたりしたら、それでコミュニケーションが生まれる。

停電を面白く捉えるために考えた、ひとつめのアイデア。
実行にうつす予定はない。

2012年8月29日 西尾美也

En Route



Sometime back in a Saturday newspaper pullout there was this article about people and their shoes, men and shoes to be precise. The article said about the interaction between men and women, putting the shoes into perspective. While men look at women from their faces downwards, women start from the bottom going up and the latter’s verdict is normally passed before they get to the former’s knees..! This is the halo effect in action and the fact that I teach a class of over 30 young women means I got to be really aware of what and how I wear my shoes.

I like to get them cleaned en route that class at the Ngumo bus and matatu stage so they are sparkling fresh clean when I get there. The good part is it costs me only 10 bob and 10 minutes to get this done, like I couldn’t ask for better terms. To get other services like shoe polishing usually costs me 30 bob, as a matter of fact I do not know of any of the shoe cleaners who charges any amount over 50 bob. In the rainy days maybe, when they are sure people are desperate for their services, thanks to the depressing mud that comes with the rains, they would double their prices, if not triple them and to this I would say I can’t blame them because they are Kikuyu business people, but then again it seems to be a Kenya wide culture to rip people off at the slightest opportunity, Kikuyu or otherwise. Most of the people doing whatever kind of business around Ngumo stage are kikuyu men and women, with politically blamed violence, coupled with the fierce tales of the Mungiki ensuring they get extra minimal competition from other Kenyans, especially around these election times.

August 28, 2012 David Omondi

ミステリーツアー企画:ライラ

ナイロビ・ミステリーツアーは、思いがけない新名所に出会うために、日頃なぜか気になっている人にガイドになってもらい、行き先も道順もおまかせにアレンジしてもらうツアーです。

今回、ガイドをお任せするのは、私たちが暮らすアパートの警備員ウィルフレッドさん。ナイロビから西へ240kmほど離れたキシイ県に奥さんと子ども7人を残して、ナイロビへ出稼ぎにきています。ナイロビでは3ヶ月無休で、朝6時から夕方6時まで警備員として働きどおし。3ヶ月に一度だけ、一週間ほどの休みを利用して、バスで10時間かけて田舎に帰ります。こんなハードな労働条件にも関わらず、いつも自信満々で金を無心し、自分の窮状を講談師のように披露し、そのユニークさは鬱陶しいというよりも可笑しすぎて憎めません。ミステリーツアーとして彼が選んだ行き先は、ライラと呼ばれる住宅地。ようは自分の家の近所と、よく行く食堂やバーでした。

【ルートと見どころ】所要時間:2時間


.薀鵐タ大通りの「ウィルソン空港前」マタツ停車場。ここから15番のマタツに乗車。30シルを払って西へ進む。
▲Ε侫襦Εーデンを通り過ぎたあたりに、南北に延びる道路が建設中。「China Road」と書かれた大きな看板が立っている。中国資本による道路建設なのだろうが、道路名は「China Road」になってしまうのか。
赤と青のライン装飾が魅力的なランガタ病院前で北に折れて、キテンゲラ通りをぐるっとまわる。この通り沿いには美容院や服屋、家具屋、青果店などたくさんのお店が軒をならべ、その背後から住宅街が取り囲んでいる
ぅング・カルンバ通りで突き当たり右に曲がって、その後さらに北上すると「オティエンデ」マタツ停車場に着く。そこで下車。開けた空き地を、商店やレストランが囲んでいる。
ヅ綿發破未慂發と、ンゴング・フォレスト通り(通称サザーン・バイパス通り)が横切る。眼下にキベラ地区の壮観な町並みが広がる。


Δ修猟並みに向かい坂道をくだる。この辺りがライラとよばれる区画。その一隅にあるガイドの自宅で小休憩。ぼこぼこの土道脇でたくさんの子どもが遊び、女性や若者が談笑している。
Г気蕕頬未愎覆漾▲鵐乾鵐粟遒砲かる橋をわたってキアンダという区画に入る。さらに小道とT字交差した突き当たりに、ガイド御用達の食堂。


┥道を左へ折れて進むと、キベラ・ドライブ通りに突き当たる。この辺りはアヤニという区画。ここのバーに立ち寄り、チャンガーとよばれる地元酒を試飲。かなり強いが芳香ただよう酒。オーナー自ら、白トウモロコシと砂糖で作ったもの。ナイロビには、この酒の臭いを口元から臭わせている輩が多い。このガイドも同様だが、どうかこの先も酒に溺れないでほしい。
アヤニ地区マタツ停車場から、タウン行きのマタツに乗車し、20シルを支払う。プレステージ前とケニヤッタ病院前でそれぞれ乗り換える(それぞれ20シルと50シル)。
Tモール前でマタツ下車。

2012年8月27日 西尾咲子


なぜアフリカか?(西尾美也の場合)



よく聞かれる質問なので考え得る理由をすべて箇条書きしておく。
とっさに答える時は、このうちの一つくらいしか伝えられなくて、いつも自分の方がもどかしくなる。
たぶん「なぜアフリカなんですか?」というのは、「これの何が美術なんですか?」という質問と似ていて、自分で答えなければならない違和感が伴うからだろう。

・妻がケニアで地域研究をしているから
・正確には付き合っていた彼女(今の妻)がケニアで地域研究をしていたからであり、彼女との関係性のデザインとして自分もケニアで何かやればいいと思ったから
・日本で乱立する地域系アートプロジェクトのいちプレイヤーに収まりたくなかったから
・与えられた環境で表現するだけでなく、何かを表現する環境を自ら生み出す「自主企画」にこそ、やりがいを感じているから
・「装い」を実践する全人類を対象とするはずの自分の活動を、遠いアフリカでも試してみたかったから
・新しい文化創造の実験をしたいから
・日本人の現代美術家が誰もアフリカを拠点にしていないから
・現代美術やファッションの中心をずらしたいから
・アフリカが、これからいろんな意味で面白くなるに違いないから
・デュシャンが“男子用便器を美術館に展示する”ことで「美術とは何か」を突きつけたように、“現代美術をアフリカで実践する”という最先端のコンセプチュアル・アートがやりたいから
・自分にとって面白い作品を作り出す環境があるから

補足

・まんべんなくアフリカを拠点にすることはできないので、とりあえず縁のあったケニアのナイロビを選んでいる
・ナイロビでの活動は西尾工作所ナイロビ支部として、妻とコラボレーションで実践しているものであり、西尾個人のソロ活動とは差別化される。また、西尾の《DOMINO/ OMONDI》(2012年)のプロジェクトをきっかけに、2010年からスタッフとして関わってくれているDavid Omondiがメンバーとなり、西尾工作所ナイロビ支部は現在、3名からなるアート集団として活動している
・日本人が誰もやっていないからやるということではなく、あるいはそのチャンスに安住するのではなくて、自分は自分が面白いと思うことをただやろうと思っている
・ナイロビでの活動当初に掲げた「ナイロビ・アートプロジェクト」とか「地域住民と…」とかいう行儀のいい表現はやめて、もっと自分勝手に考えてみる方が面白いと感じはじめている
・ナイロビに来て、与えられた環境で表現する機会がなくなったことで、逆に、環境が与えられて担当者(キュレーターやコーディネーターなど)とコラボレートする時間がいかに貴重なことか再確認した。その場合、当然ながらキュレーションの明確な意図や担当者の熱意が有り難く貴重なわけで、それを感じない場合は参加しないという明確な線引きができるようになった
・アフリカのためのアートがやりたいわけではないので、西尾工作所ナイロビ支部としてもっとケニアの外でも活動したいと思うようになってきた

2012年8月24日 西尾美也

Street Githeri



Probably one of the most popular foods in Kenya, topping the crème de la crème list alongside giants such as ugali, chapatti and mukimo, which by the way I don’t really fancy because it looks so green, among others. Basically githeri is a mix of beans and maize boiled together, with tonnes of creative recipe invented by curious Kenyans and foreigners alike, thanks to google you can find these all over the net. The beautiful thing with gith is that one can have it for any meal, breakfast, lunch or supper, without raising eyebrows at all, unlike ugali for which you have to give many excuses for preparing in the morning, excuses that never really suffice.



In my hood, as I have seen in many others, githeri is prepared and sold outside in baby quantities for as low as 10 bob and guys like me are glad for that because the trouble of boiling gith is unimaginable for most. When you buy street gith, all you got to do is add salt and you are good to go, unless of course you have a wife, then she will want to process it some more by frying and adding stuff like potatoes, and meat if you are lucky, but then it’s equally fine as bought.

Personally I never have time or wife to process food a lot so I just grab a 10 or 20 bob gith and am good for maybe 2 meals. I also like it because it is a good pack for when I go to work, just need to add an avocado and rice then a sachet of milk and I pretty much have taken care of all the nutritional components of a good meal, the science of which I have no intention of boring anyone with.

August 22, 2012 David Omondi

日常に配置されるモノたち



ナイロビでは、一度により多くのものを運ぶために、限られたスペースでできるだけたくさんのものを置いたり販売するために、お店を目立たせるために、モノが、並べられたり、重ねられたり、積み上げられたり、束ねられたり、吊り下げられたりしている光景が目につくことが多い。インパクトがあるしきれいな場合が多いから、ついつい足を止めて鑑賞したくなる。
鑑賞といっても、一点一点の商品(作品)がよく見えるように配置された(鑑賞するように促してくる)端正なアートギャラリーとは正反対の世界である。しかし、ギャラリー自体を額縁と捉えて空間自体を作品化する「インスタレーション」と呼ばれるアートとは共鳴するし、さらに言えば、ギャラリーを飛び出して日常空間を舞台に展開する「プロジェクト型アート」や「アートレス」な表現とは見まがうほどの共通点をもつのが、このナイロビに配置されたモノたちの存在である。
先進国の一部のアーティストが一巡して戻ってきた日常空間は、ナイロビでは昔も今もモノを展示する場所であることに変わりない。そうであれば、日常空間でモノを並べたり、重ねたり、積み上げたり、束ねたり、吊り下げたりする技術は僕らより長けているのではないか。自分が作った(ギャラリーに展示されるような)いわゆるアート作品を、かれらに並べてもらったらどんなふうに作品が見えてくるか、どんなインスタレーションになるか、あるいは何を並べてもらったら面白いか、僕はコラボレーターとしてかれらから目を離せないでいる。

※ナイロビでの色んなモノの置かれた方については、Web showの《Daily Compostion》でもう少し広義で特集しているので、是非ご参照ください。

2012年8月21日 西尾美也

Kalongolongo



I was very interestingly surprised the other day to spot a gathering of kids playing the all time classic game of kalongolongo at a small space by the road just next to the shop where I was lining up to buy bread. If you grew up in Nairobi in whatever neighborhood in the mid or late nineties and did not play this then obviously you were not growing up. It’s also known as ‘cha mama na cha baba’ amongst the naughtier lot.

In this game toiz pretend to be family, nuclear or extended, and have a played out family day, where mock breakfast, lunch and supper are literally served, children put to sleep and covered and parents sleep together separately. The most coveted position in the game, in my time, was that of father, for the obvious reason that you got to sleep with mum, and I think that it still is. Initially food was made using mud and other inedible stuff but as we got more advanced, as in older, we actually cooked real food, and am talking real chapatti, real sukuma, nyama, potatoes and the rest and actually ate them. Since I was never father in any game, I used to always be a toi, and the fun part of this was you got to get away without doing much and said something like, “I went to play,” when you got back knowing food was ready.

In this day and age when the theory of evolution is actually applying itself in real time to our kids, seeing this game in action to me was like a reassurance that all is well, somebody gets to carry the mantle after all. Not all kids spend the day in front of screens winning mock matches or committing mock war crimes and genocide..!!

August 17, 2012 David Omondi

個性を持った街灯



日本では特別気にしたことのなかった町の街灯。暗くなったら毎日当たり前のように帰り道を照らしてくれる。電球の寿命でチカチカしたり明かりが切れたりして不便になると、はじめてその存在を意識するという程度のものだと思う。敢えて個人的な思い出を探してみても、「隣家の柿の木がなければ、もう少し自宅の玄関前を明るくしてくれるな」と思った経験があることくらい。(と書きつつ、街灯との思い出を教えてください、というインタビューでもすれば、いろんな面白い答えが返ってきそうだ。)
もちろん、だからこそ、そうした街灯の日常性に介入するユニークなアート作品があることは知っている。たとえば、街中の公共彫刻をプライベート空間に変換させてしまうことで有名な西野達さんの初期プロジェクトでは、既存の街灯を取り囲んで完璧な部屋を作り、室内照明(巨大な!)にしてしまう作品がある。今まで気にしていなかったものを眼前に突きつけてくるから、アートは爽快だ。
Nairobi Westという地区を昼間に歩いていて目がとまった街灯は、「不便」とも「アート」とも少し違う理由だった。街灯そのものがそれぞれ、一本ずつ、個性を持っているのだ。それは、たとえば景観に合わせてデザイン性を高めた街灯ということではない。あくまでもシンプルであろうとしている。
ただ、一本一本の傾きが違うし、長さが違うし、素材が違うし、形が違うのだ。同じものが作れない……。だが、これをいわゆる途上国の「出来損ない」として片付けてはいけない。個性のほとんどは小さな差であまり気付かないのだが、だからこそ手の込んだオーダーメイドにも見えてくる。もっとも特徴的なものの中には、肝心要の電灯部分がない「トマソン」街灯もあるし、西野作品さながらの、家の中まで入ってきそうなぐらい押し倒された街灯もある。
「日常性の再考」にアートの魅力を感じている僕からすれば、ナイロビの街は時に強烈なパブリックアートのようにして、こんなふうに目の前にあらわれてくるのである。

2012年8月16日 西尾美也

バラバラ食堂:フィンガーフィッシュ



バラバラ食堂では、ケニアの大衆食堂や一般家庭で食べることができる美味しい料理をご紹介します。いつもの定番料理から、シェフの粋な工夫が感じられる創作料理までさまざまなメニューを取りあげる予定です。

第2回目は魚を使った料理。ケニアで魚が採れる場所というと、モンバサなどの東海岸沿いか、キスムなどのビクトリア湖畔になります。海岸沿いでは日本と同じくさまざまな魚介類が取引されていますが、内陸部ナイロビのスーパーや市場に出まわっている魚でよく見かけるのは、ティラピアとオメナ、ナイルパーチなど。そのなかでも、大衆食堂のメニューで「Fish」とあるのは、たいていティラピア(和名はイズミダイ)です。

今回、イチオシでご紹介したいのは、写真にあるG&Rレストラン〈アネックス〉のティラピアを使ったフライ料理。ケニアに暮らす人にとってティラピアのフライ料理といえば、魚一匹をそのまま油に突っ込んで揚げただけの料理ばかりをイメージしてしまいますが、このレストランのフライは珍しいコロモ付きフライ。一匹分サイズの大きなコロモ付きフライもありますが(写真奥)、とりわけ指サイズの「フィンガーフィッシュ」(写真手前)は片手で食べやすく、サクッとした食感と淡白な白身の甘さがとても美味しいです。そして、何より嬉しいのが、ケニア中で見られる「当たり前」の一匹そのままフライではなく、オーナーの「これ美味しいでしょ」という「こだわり」が感じられるところ。この「こだわり」って、外国人向けの高級料理店ならまだしも、ナイロビの一般的な大衆食堂ではちょっと珍しいので、出会えるととても嬉しくなるのです。

G&Rレストラン〈アネックス〉はMuindi Mbingu通りにある巨大壁画をはさんだシティ・マーケットの反対側、ビアシャラ通り沿いにあります。手頃な値段と場所柄、そして何よりその美味しさで、毎日お昼どきになるとナイロビのビジネスマンで混合っていて、相席が当たり前。果物がふんだんに入ったカクテルジュース(大サイズ)も100シルほどとお手頃です(写真右)。ナイロビでもっとも現地の人で賑わう雰囲気と、美味しいケニア料理、てきぱきと真剣に楽しく働くスタッフを堪能したいなら、ここが私たちのおススメです。

2012年8月15日 西尾咲子


links

contents

search this site.

twitter

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM