「Spray for Change」ケニア大統領選挙と平和の誓い



この3月4日にケニア大統領選挙が実施されました。ケニア国民にとっては、この数年間で一番の関心事。前回の2007年末に実施された大統領選挙では、開票作業中の不正をめぐって大規模な民族対立が起き、1000人以上の死者と数十万人の国内避難民を出す最悪の展開になったからです。そのため今年に入ってからナイロビ在住の外国人の多くが、最悪の事態を想定して大量の食料品と消耗品を買い込んで、籠城の準備を進めていました。

その一方で、数えきれないほど多くの、平和を維持するためのキャンペーンも行なわれていました。テレビやラジオ、ストリートデモで繰り返される平和への掛け声。宗教団体が大統領候補者たちを集めて平和を誓わせたパブリックな集会。ナイロビ東部の貧しい地区やスラムでもNGOやコミュニティ団体が主催するさまざまな取り組みが行なわれ、民族間の違いよりもケニア国民の連帯への意識を高めていました。



ケニアのアート界でも詩や映像、絵画、パフォーマンスなどあらゆる表現手段を使った多様なプロジェクトが企画されました。その1つが「Spray for Change」。ケニアの玄関ともいえるジョモ・ケニヤッタ国際空港の工事現場を囲う全長400メートルのトタン板に、10名のグラフィティー・アーティストたちが「新しいケニア」をテーマに描きました。ケニア最大のペンキ会社Duracoatが主催しており、インターネット投票で一番人気のあったアーティストに25万円の賞金が贈られます。これから半年〜8ヶ月は現在地に展示されているとのこと。空からナイロビに降り立ったらまず最初に出会うアートプロジェクトです。

選挙結果が発表されてからちょうど一週間。ケニアは選挙を平和に乗り切り安堵しているところです。

*尚、本選挙の結果をめぐっては、負けた候補が「開票プロセスに不正があった」として最高裁判所へ訴訟を起こしています。暴力ではなく裁判による解決を求めており、今後の裁判所の判断によっては、再度、大統領選挙が行なわれる可能性もあります。

Spray for Changeの公式ウェブサイト(本プロジェクトを分かりやすく紹介しているドキュメンタリー映像付き)
http://sprayforchange.com/

2013年3月16日 西尾咲子

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