行きつけの服屋さん



家の近所に行きつけの服屋さんがある。だいたい金曜の夕方にしかやっていないお店。といっても店舗はなくて、路上に服を広げているだけ。ここはキベラというナイロビ最大のスラムに近くて、夕方になると働き口の多い工業地帯から多くの人が徒歩でキベラに向かって帰ってくる。つまり、帰りの通勤ラッシュに合わせてお店を開くということ。
(スラムと工業地帯に挟まれた我が家の立地は、あまり自慢できるものではなさそうだ。)

なにより、路上に服を広げて空間を一変させてしまうスタイルが好きだし、売られている服にひと工夫あるのが気に入っている。どんな工夫かというと、既存のTシャツやポロシャツを土台に、袖を入れ替えたり、胸のところに別布をあてたり。不器用にパイピングも施している。

要は、服のパーツを入れ替えて新しい服を作っている。

あまりに聞き慣れたフレーズ。そう、これはまぎれもなく僕のデビュー作である《スクランブル・クローズ》《ビタミンT》の発想に通じているのである。

不器用で不安定な完成度というのも、一般参加者の手癖を活かす「ワークショップ」で馴染みの考え方に通じる。たとえば、きれいな工業製品より、子どもたちが作ったものに愛着がわく場合に似ている。
(そもそもスラムの住人に向けて販売されているわけだから、僕の好みはあまり共感されるものではなさそうだ。)



実際、同じようなデザインの服を着たケニア人を見かけることも多い。ある種の流行現象である。ケニアではサッカーが人気があるから、こういうユニフォームっぽいデザインが好まれるのかな?というのは、僕のテキトーな推測。ケニアでは2002年から2007年くらいにかけて、長袖の上に半袖を重ねるとか、半袖の上にタンクトップを重ねるとか、長ズボンに短パンを重ねるというファッションが流行ったからかな?というのは、友人ケニア人のテキトーな推測。いずれにしても、はやりの服を扱うショップ?が家の近くにあるのが嬉しい。

ナイロビのファッションについては、Web showで「ナイロビ・コレクション」を展開しているので、ぜひご覧いただきたい。世界中から集まる古着をトレンドにとらわれず自在に着こなすケニア人のファッションは、時に型破りで斬新なのだ。ナイロビ・ファッションを分析して模倣した西尾工作所ナイロビ支部のメンバー3名もモデルとして紛れているが、メンバーの一人はケニア人だから、まあ見破ることは不可能だろう。

6月にロンドンに行ったときに、お洒落なロンドナーのファッションや振る舞いを模倣するアジア人を多く見て、気持ちの半分はバカにしたけど、半分は勇気づけられた。僕は、僕がお洒落だと思うナイロビアンを模倣すれば良いと教えてくれたから。

2012年10月31日 西尾美也

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