People's House in Kenya



古着のパッチワークで参加者が思い思いに服を作る「People's House」の活動は、埼玉県の北本市を中心に展開されています。そのPeople's Houseの展示販売会が、この2月23日(土)と24日(日)に開催されるのですが、それに合わせて西尾工作所ナイロビ支部では、ケニアのリサイクル・アートを紹介すべくリサーチと収集を進めてきました。

「People's House in Kenya」は、そんなリサイクル精神あふれるケニア人にも、パッチワークの服を思い思いに作ってもらおうという企画です。《Overall: Steam Locomotive》というプロジェクトの時もそうでしたが、友人伝いで不要な服を集めると、ここケニアでもすぐに数十着の古着が集まります。


西尾美也&西尾工作所ナイロビ支部《Overall: Steam Locomotive》2010 
Photo by Yasuyoshi Chiba

古着を解体してパッチワークにする作業は、僕が担当しました。ケニアには半屋外で働くようなテイラーがたくさんいて、ミシンで服を仕立てたり、お直ししたりしている人の姿をよく目にします。パッチワークの生地を持って、そういう人たちのところへ訪ねました。

「この僕のオリジナルの生地を使って、服を仕立ててほしい」と相談します。工房にはカラフルな服見本があって、どんな形がいいかを指定することができます。ケニアの女性がよく着ている「キテンゲドレス」を選んで発注しました。他にもこの工房では、小学生たちの制服を作っていたので、「制服モデル」も発注。合計4着を注文したのですが、2日後にはさっそく完成しました。



完成して何より驚いたのは、このカラフルなパッチワークは、カラフルな伝統布で身を包むというケニアの環境にとても馴染むし、ケニア人にとても似合いそうだということ。People's Houseのケニアでの展開が頭に浮かびます。

これらの商品は、埼玉県北本市のナヤノギャラリーにて展示販売されます。ぜひケニア人テーラーが作ったPeople's Houseを、実際に手にとって見てみてください。
http://kitaminlabo.com/info/atelierhouse-open/

2013年2月15日 西尾美也

路上のギタリスト

西尾工作所ナイロビ支部では、日頃から複数のリサーチとプロジェクトを同時に進めています。この日は、あるプロジェクトの材料となる「古着を購入する」という目的で、マーケットに行きました。

Omondiと上手く連絡がとれず、結局一人で広いマーケット内を散策することになったのですが、忘れてならないのは、ここはナイロビということ。治安はそんなによくありません。しかも観光客なんか行かないようなマーケットです。けっして一人で街を歩いてはいけないというガイドブックや大使館からの注意が聞こえてきます。

別の目的で来たということと、そんなふうにわりと大きな不安を抱えていたものですから、彼にでくわした時の感動はひとしおでした。

路上のギタリストです。



ギターとハーモニカで和やかに音楽を奏でています。耳で聞いて安心します。一方、「リサイクル・アイテムを探す」という課題も別に持っていた僕には、強烈なイメージとしてそれは目に入ってきました。

ポリタンクや端材、ロープ、瓶の蓋などどこにでもあるような材料でギターが作られているのです。しかもご覧の通り、かなりかっこいい。洗濯ロープの弦をはじくとちゃんといいかんじの音がでるし、足でリズムをとると指にひっかけたロープの先についた瓶の蓋が音を奏でます。

人の創意工夫に感動するかどうかというのは、受け手のその時の条件に大きく左右されるのだと思います。路上のギタリストはこの日の僕には大ヒットで、ナイロビではじめてチップを渡したくらいです。

※西尾工作所ナイロビ支部が企画協力する「ケニアのリサイクル・アート展」は、埼玉県北本市のナヤノギャラリーで、2月23日(土)・24日(日)開催です。
http://kitaminlabo.com/info/atelierhouse-open/

2013年2月13日 西尾美也

レジ袋とロープのサッカーボール



ケニアのリサイクル・アートについて少しリサーチを重ねたところで、他に何かリサイクル・アイテムのアイデアがないか、ケニア人のオモンディに聞いてみました。

「(オモンディが生まれ育った)キベラ(スラム)ではたいていのものがリサイクルだが……」と、彼にはリサイクルということが当たり前すぎて、どんなものを僕が面白がっているのか、すぐには検討がつかない様子。

でも、「例えばこんなのか?」と言って出てくる項目のすべてが、僕を満足させるものでした。

「父親が電気工事士だったので、小さい頃はよくケーブルで動物を作った」
「母親がテイラーだったので、小さい頃はよくハンガーの針金で車を作った」
「子どもの頃と言えばよくサッカーボールを作った」
「ブリキ缶で車を作った」「廃タイヤで転がして遊ぶオモチャを作った」
「底に穴が空いた鍋を修理することだってある」

しかも、材料さえあれば今でも簡単に作れると言います。

本物が安く手に入りやすくなって今の子どもたちはあまり作っていないけど、昔は誰もが作り方を知っていて、一週間に一つは作っていたというサッカーボール。
今回はそれを実際に制作してもらうことにしました。

材料はレジ袋とロープだけ。なんとも素早く慣れた手つきで作っていきます。体育会系のオモンディですが、僕以上に器用かも。「まさか大人になってこれを作るとは……」と言いながら、オモンディは制作を楽しんでいます。

丸めてぎゅうぎゅうに詰めたレジ袋をロープで編んでいくだけのとてもシンプルなボール。みんなこれを裸足で蹴っていたかと思うとけっこう固いのですが、それだけ十分な蹴り心地があります。飾るとオブジェのようにもなってかわいいです。



※西尾工作所ナイロビ支部が企画協力する「ケニアのリサイクル・アート展」は、埼玉県北本市のナヤノギャラリーで、2月23日(土)・24日(日)開催です。
http://kitaminlabo.com/info/atelierhouse-open/

2013年2月9日 西尾美也

ケニアの教科書にみつけるリサイクル・アイテム!?

ケニアの初等教育で使われる美術・音楽用の教科書を見て驚いたことがあります。日本では小学校でも中学校でも画材道具を一式購入してから描くことが当たり前だったので考えたこともありませんでしたが、ここケニアでは、その絵を描くための筆の作り方から掲載されているのです。もちろんこれはケニアの貧しさの問題と関係していますが、それを哀れむという反応ではなくて、なんてクリエイティブなんだろうと、驚いたわけです。



教科書に記された手順は下記の通り。
a) 細い枝木を準備しましょう
b) ナイフで枝木の形を整えましょう
c) 枝木の端の方に溝を作りましょう
d) サイザル(植物)の繊維を準備しましょう
e) 溝のまわりに繊維をしっかりと結びつけましょう
f) 図のように繊維を折り曲げて結び、毛先を整えましょう
注意:枯れ木は使わないこと。中には有毒な木もあります。

しかも、紹介されている作り方は一種類だけではありません。
上記のサイザルを使った筆の他には、例えば、「枝の先がやわらかくなるまで噛みましょう」なんていうのもあります。



ケニアのリサイクル・アイテムをリサーチするようになって改めて教科書をみなおすと、他にも発見がありました。楽器のページです。瓶の蓋と枝で構成された楽器のイラスト。見ただけで振りたくなります。瓶の蓋どうしがぶつかってカシャカシャいう音がなるのが実際に聞こえるようにクリアにイメージできます。

教科書には「先生が作り方を教えてくれるでしょう」とあります。
こんなふうにケニアでは、道具や楽器は自分で作るもの、ということが自然と教えられているようです。

※西尾工作所ナイロビ支部が企画協力する「ケニアのリサイクル・アート展」は、埼玉県北本市のナヤノギャラリーで、2月23日(土)・24日(日)開催です。

2013年1月11日 西尾美也

ケニアのリサイクル・アート展に向けて始動


西尾美也《人間の家[家]》2010 撮影:齋藤剛

2013年2月に、埼玉県北本市で「ケニアのリサイクル・アート展」を開催することになりました。北本では、古着のパッチワークで巨大な帆を作った《Overall》や、人が中に入ることのできる《人間の家》など、市民参加で古着をパッチワークして作る作品シリーズを、2009年から継続的に行なってきました。現在は、有志のメンバーによって古着のパッチワークをもう一度着られる服に作り替える「People's House」という活動が自主的に継続されています。服作りを学ぶ学生や地元の洋裁教室に通う方々などが、思い思いにパッチワークで服や小物を作っています。


西尾美也《People's House》2010

2013年2月には、恒例となりつつある「People's House」による展示販売会が予定されています。「ケニアのリサイクル・アート展」はその店舗内での特別展示として開催されるものです。モノの再利用という面では、ケニアのような途上国が最先端と言えるかもしれません。観光客向けのお土産として有名なものから、生活の必要に迫られて考案されたものまで、さまざまなリサイクル・アイテムを、これから西尾工作所ナイロビ支部ではリサーチしてみようと思っています。ケニアの人たちから古着を集めてパッチワークにし、仕立て屋に自由に服を作ってもらう「People's House」のケニア・バージョンも出展予定です。

展示の詳細は改めてお知らせいたしますが、北本の展示ではすべての商品を購入していただくことができます。当日のお楽しみとして全アイテムを紹介することはしませんが、今後、このブログで少しずつリサーチの様子を公開していきます。北本での発表後は本ウェブサイトWeb showにて、同タイトルのウェブ展覧会を発表予定です。

2012年10月11日 西尾美也

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